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骨折・Ⅲ

2017年2月16日

この子は手術まではしなくてもよかった症例です。ワゴン車の助手席から落ちて、左前肢を着けなくなったとの事で来院されました。
折れやすい肘から手首までの骨や腕の骨は触診でも折れてないのが確認取れましたが、手首より下の骨を触ると嫌がるのでレントゲンにて確認しました。

人にたとえると中指と薬指の手のひらの部分の骨が2本横骨折していました。

ズレは少なく、人差し指と小指(最内外側の骨)は骨折していないので、ギプス固定での治療を選択しました。

骨折している指先をひっぱり骨折端が合うようにテーピングをしてから、左前肢にアルミ製の副木をあてます。

衝撃を吸収し、副木がはずれないように粘着包帯を巻いて、1週間後に診察に来ていただきます。
副木やテープなどをすべて除去し、蒸れていないか、擦り傷になっていないか、骨折端がズレていないか、を確認して、再度副木をあて固定をします。

副木をあてて2週間目に再度レントゲンにて骨の状態を確認します。
骨折部分のズレは改善され経過良好なので、1週間間隔で副木交換し、2週間後に再度レントゲンを撮る予定としました。

4週間目の診察でのレントゲン検査にて、骨折端付近に仮骨(骨になりかけている)が出てきたのが確認でき、左前肢を着くようになってきたので激しい運動をさせないことを条件に、副木を外して経過観察することとしました。

動物の骨折治療でギプス固定を選択することは極稀です。人のように安静に生活をさせられない、骨格的にギプスを長期間維持できないなどの理由からです。今回のような症例はギプス固定で治療することで、麻酔のリスクがなく、入院もしなくていいので治療費の負担も軽く済ませました。もちろん、骨もまっすぐくっつき、後遺症も無く走り回っているようで、飼い主様も喜んで報告してくださいました。